納得できない選択を続けるとき|自分を置き去りにしない条件の整え方

納得できる選択へ。引き受けることと条件を分けて考えるBE-ALL.ブログシリーズのアイキャッチ画像

「私がやれば済むから」と引き受けた。

用事は終わった。相手も困らずに済んだ。それなのに、自分の中には何かが残っている。

そんなとき、「自分で引き受けたのだから、気持ちよくやらなければ」と、自分を説得したくなることはありませんか。

50代からの暮らしには、仕事、家族の用事、これまで担ってきた役割があります。嫌だと感じたら全部やめる、というわけにはいかないこともあります。

そこで、BE-ALL.ではこの問いを大切にしたいと考えています。

「私は、この選択を自分が納得できるように持っていっているか」

気持ちを無理に明るくするための問いではありません。引き受ける量、時間、分担などに、自分の希望を反映できる余地がないかを見るための問いです。

引き受けた後にも、希望を伝えてよい

豊橋で整体・リンパケアサロンBE-ALL.を営む私は、施術を受けると決めた方にも、刺激の強さや苦手な姿勢、触れてほしくない部位を、事前にも施術中にも伝えていただけるようにしています。

次回の予約も義務にはしていません。その日に決めず、日常へ戻ってから考えていただくこともできます。

私が大切にしているのは、最初に選んだ後も、ご本人の希望を置き去りにしないことです。

施術を受けると決めたことを、その後の強さや姿勢について何も言えなくなる約束にはしたくありません。次回も、その場で答えをいただくことより、ご本人が日常の中で考えられる時間を残したいと思っています。一度選んだ後にも、希望を伝え直し、選び直す余地を残す。私は、その余地まで含めて、ご本人の選択を尊重したいと考えています。

この考え方を、日々の用事にも持ち込んでみます。

一度「やる」と返事をした。その後で、思っていたより時間がかかると分かった。別の予定が入った。自分が嫌だと感じる部分に気づいた。

その時点で、どの条件が負担なのかを確認し直すことができます。すでに約束した相手がいるなら、変更したい理由と範囲を伝え、調整する必要はあります。それでも、自分の希望まで無かったことにする必要はありません。

サロンでの方針は、次回予約を義務にしないBE-ALL.の考え方にもまとめています。

同じ「引き受ける」でも、条件は分けて考えられる

条件が実際に変わるかは、相手の事情や約束の内容にもよります。ここでは、まず条件を分け、動かせるものがあるかを見るところまでを考えます。

「引き受けるか、断るか」だけで考えると、引き受けた後に残るのは、我慢することだけのように見えます。

でも、引き受ける内容には、いくつかの条件が含まれています。

  • 何を、どこまで担当するのか。
  • いつ、どれくらいの時間を使うのか。
  • 一人でするのか、誰かと分担するのか。
  • 今回だけなのか、今後もどの頻度で続けるのか。
  • 現地へ行くのか、電話や文書など別の方法も考えられるのか。

用事を引き受けることと、その条件をすべて引き受けることは、分けて考えられます。

会うことには賛成。でも、準備を全部一人でするのは困る。

手伝いたい。でも、毎週同じ時間を空けるのは難しい。

そう整理できれば、「やりたくない自分を変えよう」と考える前に、何を相談したいのかが具体的になります。

「全部嫌」だと思っていたけれど、嫌だったのは、相談なしに自分の担当が増えることだった。そんな見つけ方もあります。

「家族を迎える」を、四つに分けてみる

ここからは、考え方を説明するための仮の記入例です。実際のお客様の事例ではありません。

休日に家族が集まることになり、自宅で食事を用意する場面を考えてみます。

確認すること 記入例
自分が大切にしたいこと 家族と会って、ゆっくり話したい
本当は負担に感じていること 買い物、料理、片づけを全部一人ですること
今回は動かしにくいこと 集まる日。すでに皆の予定が決まっている
相談できそうなこと 食事を持ち寄る、片づけを分担する、終わる時間を決める

この場合、「家族に来てほしくない」と「準備を全部一人でしたくない」は、同じ希望ではありません。

そこで、例えばこんな提案を考えます。

「みんなに会えるのは楽しみ。今回は料理を一品ずつ持ち寄って、片づけも一緒にお願いしたいな」

相手が応じてくれるかは、話してみなければ分かりません。それでも、相談したいことが具体的になれば、どこが難しいのかを確かめる材料になります。

反対に、書いてみて「準備の問題ではなく、今回は会うこと自体を見送りたい」と分かるかもしれません。その気持ちを、無理に「持ち寄りなら大丈夫」へ直す必要もありません。

条件を変える工夫は、続けさせるための説得には使わない。それも大切にしたい点です。

納得へ近づける調整は、減らすことだけではない

何を動かせばよいか迷うときは、次の中から、自分の引っかかりに近いものを選んでみてください。

引っかかっていること 調整の案
担当する範囲が広すぎる 今回はここまで、と範囲を決める
期限が厳しい いつまでならできるかを伝える
自分一人が担当するのがつらい 分担できる作業を具体的に頼む
今回だけのつもりが続いている 今回の返事と次回以降の頻度を分けて相談する
今の進め方では引き受けにくい 対面が必要か、電話や文書でもよいかなど方法を確認する
今は判断する余裕がない 返事をする時期を相談する
手間はかかるが、自分が大切にしたい 引き受ける理由を自分の言葉で確かめ、ほかの負担を調整できるか見る

楽な方を選ぶことだけが、納得ではありません。手間がかかっても、自分が大切にしたいことのために引き受ける日もあります。

ただ、その意味づけが「家族のためなのだから、嫌だと思う自分が悪い」という形になっていないかは確認したいところです。

「家族を大切にしたい」と「今回は負担が大きい」は、一緒にあってよい気持ちです。

引っかかる気持ちを、条件を考える手がかりにする

「休みたい」「一人になりたい」「今回は断りたい」。そう感じているなら、その気持ちも条件を検討する材料に含めます。

時間を短くすれば引き受けたいのか。それとも、今回は用事そのものを見送りたいのか。すぐに答えが出なければ、まだ決められないと書いておいて構いません。

今の気持ちがつかみにくいときは、刺激がほしいのか、静けさがほしいのかを考える記事も参考になります。

調整できないことまで、自分の責任にしない

希望を伝えても、相手が応じないことはあります。人手や費用が足りず、今すぐには変えられない事情もあります。

その結果を、「自分の伝え方が悪かった」「もっと前向きに考えるべきだった」と、全部引き受ける必要はありません。

今は動かせない、と分かったことも、次に考えるための情報です。一人で判断せず誰かに相談する、利用できる支援を調べる、次に見直す時期を決める。今すぐ気持ちを決着させずに置いておく方法もあります。

怒鳴られる、脅されるなど、希望を伝えることで安全が脅かされる状況では、直接の話し合いを無理に進めず、安全を確保できる相手や相談先につながることを優先してください。

また、身体のつらさを、自分の気持ちの持ち方だけで説明しないことも大切です。気になる症状が続く場合は、この記事の整理だけで済ませず、医療機関へご相談ください。

今日の用事を、一行だけ書き換える

今、気になっている用事を一つだけ選んでみます。

「私は__を大切にしたい。今回は__まで引き受ける。__については相談したい。」

まだ決められなければ、「今は保留。__の後にもう一度考える」でも構いません。

今日、すべてを納得できる状態にしなくても大丈夫です。この記入も、できたかどうかを採点するためのものではありません。

「私は、この選択を自分が納得できるように持っていっているか」

その問いの答えは、気持ちの中だけにあるとは限りません。用事の量、終わる時間、誰と分けるか。自分の希望を反映できる場所を、一つ確認するところから始めてみませんか。


竹内 愛|整体師・リンパケアセラピスト/BE-ALL.代表

愛知県豊橋市で、身体の状態だけで決めつけず、ご本人の暮らしや希望を含めて選択を考えることを大切にしています。

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