欲望はわがまま?|50代から、本音を行動と分けて考える

欲望はわがまま? 本音と行動を分けて考えるBE-ALL.ブログシリーズのアイキャッチ画像

「今日は一人になりたい」と思った途端に、「家族がいるのに、そんなことを思うなんて」と打ち消す。

本当は断りたい。でも、自分にできることだから「私がやれば済む」と引き受ける。

気持ちが分からなくなる前に、気持ちが出てきても、すぐ採点していることはないでしょうか。

50代、60代と暮らしを重ねる中で、頼られる役割が増える人もいます。誰かを大切にしてきたことと、自分の望みも持っていることは、矛盾しません。

BE-ALL.では、欲望を「自分の現在地を知るための情報」として扱います。ここでいう欲望には、何かを手に入れたい気持ちだけでなく、休みたい、話したい、今日は離れていたいという身近な望みも含みます。

これは、すべての欲望を実行しようという提案ではありません。行動を決める前に、自分が何を望んでいるのかまで消してしまわないための考え方です。

欲望は、行動命令ではない

「休みたい」と感じたら、必ず休まなければならない。

「断りたい」と分かったら、今すぐ断らなければならない。

そう考えると、本音を認めること自体が難しくなります。休めない事情や、すでに交わした約束もあるからです。

でも、欲望を感じることと、その通りに実行することは、同じ決定ではありません。

休みたいと分かっていて、今日は用事を済ませることもあります。会いたいと分かっていて、今回は予定を入れないこともあります。

そのとき、「実行しなかったのだから、本当は望んでいなかった」と考える必要はありません。

望みはあった。今回は、その通りにはしなかった。

この二つを並べておけます。感じたことまで否定しないために、すべてを行動に移す必要はないのです。

「そんな時間はない」の手前に、何があったか

例えば、本屋で写真の本が気になった場面を考えてみます。これは説明のための仮の例です。

表紙を見て、「自分でもこんな写真を撮ってみたい」と思った。その直後に、「買っても読む時間がない」「今さら始めても」と考えて、棚へ戻した。

本を買わないという判断には、予算や時間の事情があるかもしれません。その判断を変える必要はありません。

ただ、最初にあった「撮ってみたい」まで、間違いとして片づけなくてもよいのではないでしょうか。

「写真に興味がある。今は本を買わない」

このように書けば、生活上の判断と、自分の関心の両方が残ります。年齢による変化や今の余裕は判断材料になりますが、「この年齢なら興味を持つべきではない」という採点まで足す必要はありません。

次に同じ本を見たとき、まだ気になるかもしれない。もう気にならないかもしれない。欲望を知ることは、一生の目標を宣言することでもありません。

誰かのための日にも、自分の好みはある

私と次男の誕生日は、10日ほどしか違いません。

次男のため、という大義名分のもと、自分好みのケーキを準備する。これは、以前の投稿でもお話しした私自身のことです。

誰のための記念日かと、誰の好みがあるかは、同じ問いではありません。家族のための予定にも、自分の好みはあります。

だからといって、自分好みのものを選ぶのが毎回の正解、という話ではありません。何を選ぶかの手前に、「私はこれが好き」という情報も、ちゃんとある。その小さな望みまで消さずに考えたいのです。

本人の答えを、先に用意しない

豊橋の整体・リンパケアサロンBE-ALL.で私が大切にしているのは、こちらがよいと思う選択を、ご本人の答えにしないことです。

次回の利用についても、その場で決めず、日常へ戻ってから考えていただけます。すぐに答えが出ない時間を、こちらの提案で埋めない。その余地を残すことも、ご本人が何を望んでいるかを尊重する運営だと考えています。

自分に対しても、同じような余地をつくれます。

「何がしたいの?」と聞いて、すぐに立派な答えを出させない。「家族のためになること」「健康によさそうなこと」だけを正解にしない。

理由を上手に説明できなくても、「今日は誰とも話したくない」と分かっているなら、それが今の答えの一部です。まだ分からないなら、分からないまま置いておけます。

この運営の背景は、次回予約をその場で決めなくてもよい理由にも記しています。

望みと、その後に付けた評価を分ける

本音を見つけるために、大きな人生の問いから始める必要はありません。直近で「したい」「したくない」と思った場面を一つ思い出します。

そして、次の二行に分けてみます。

  • 最初に感じたこと:今日は一人で過ごしたい。
  • その後に自分へ言ったこと:そんなことを思うのは身勝手だ。

二行目を消せなくても構いません。「私は一人になりたいと思うと、自分を責めるのだな」と分かれば、望みと評価を少し離して見られます。

ここで、無理に前向きな言葉へ変換しないことも大切です。「本当は成長したいから休みたいのだ」と、立派な理由を後付けしなくてもよいのです。

逆に、何もしたいことが浮かばない日もあります。その場合は「今は思いつかない」で止めます。隠れた本音を掘り当てることを、新しい宿題にはしません。

気分に合う過ごし方を具体的に探したい場合は、今ほしいのが刺激か静けさかを考える記事が別の手がかりになります。

認めた望みを、相手への命令にしない

自分の望みを認めることは、周囲に必ず合わせてもらう権利を得ることではありません。

「一人になりたい」と分かることと、必要な連絡をせず相手を困らせることは分けて考えます。誰かにも都合や望みがあり、費用や約束などの条件もあります。

自分の気持ちを知った後で、今回はどうするか、いつ考えるか、何を相談するかを決める。その順番なら、他者への配慮のために自分の気持ちまで無かったことにせずに済みます。

二つの望みが同時にあっても構いません。「役に立ちたい」と「負担を増やしたくない」のどちらか一方を、本物と決めなくてよいのです。

今は実行しなくても、感じたことは残せる

今日、自分に聞いてみたいのは、この問いです。

「実行するかどうかを今は決めなくてよいなら、私は何を望んでいるだろう?」

出てきた言葉の横に、「行動はまだ決めていない」と添えても構いません。

欲望は、行動命令ではない。

だからこそ、すぐにかなえられない望みも、自分を知る情報として持っていてよいのです。


竹内 愛|整体師・リンパケアセラピスト/BE-ALL.代表

愛知県豊橋市で、ご本人の答えを急がせず、身体の状態と暮らしの希望を一緒に考えることを大切にしています。

コメント